AI art "第160話 小谷くんの夏休み"

第160話 小谷くんの夏休み

21

あれからどれくらいの時を一緒に過ごしただろうか。 二人きりの時間は気恥ずかしくも、離れがたい。そんな相反する雰囲気が二人の間にはあった。 今は帰り道。 雑木林の中を二人は手を繋ぎながら静かに歩く。 小谷くん「……」 大山さん「……」 どちらからが手を繋ぎ始めたかは記憶にないが、大山さんが先導して手を引いているので、もしかしたら彼女からだったかもしれない。 2人言葉を交わさずとも、何となくお互いの気持ちが分かる、不思議な感覚だった。 境内の階段を下り、撤収作業の始まった屋台通りの間をひっそりと抜ける。 思わず手を離そうとしたのだが、彼女の手が離さず、それを許してくれそうにない。 そんな訳で、知人や同級生に見られるかも知れない。そんな緊張感の中、2人はゆっくりと歩くことになった。 「お?やっぱり彼氏だったじゃねぇか」 途中、金魚すくいのおじさんが茶化すように口笛を吹いた気がするが、そんな事は些細なこと。 とにかく今は嬉しいようなくすぐったさと、緊張感で頭がいっぱいだったのだ。 …… 無事に何事もなく、大山さんの家の前までたどり着くことができた。 家の電気はまだ点いていない。親御さんはまだ帰ってきていないようで、少し安心した。 何せ、まだ手を繋いだままなのだ。見られたら何を言われるか分からない。 小谷くん「じゃあ、僕もそろそろ帰るね」 大山さん「そ、そうですよね。あの…今日はありがとうございました…」 あの時の雰囲気は何処へやら、ギクシャクしたやり取りに内心拍子抜けする。 あの時の彼女は夢か何かだったのだろうか。 繋いだ手をゆっくりと離す。 大山さん「あ……」 大山さんが離した手を少し口惜しそうに見つめる。そんな仕草にドキリと胸が高鳴る。 小谷くん「じゃあ、また学校でね。大山さん」 大山さん「……」 小谷くん「大山さん?」 聞こえなかったのだろうか。 もう一度伝えようとした時、不意に大山さんが小谷くんの手を握った。 大山さん「ま、また、学校で会いましょう。コテツくん」/// 小谷くん「……」/// 突然の名前呼びに思わず固まる。 小谷くん「う、うん。じゃあ、おやすみなさい。大山さん」 手を離そうとするが、彼女は手を離さない。何かを訴えかけるように、こちらの目を見つめていた。 大山さん「おやすみなさい。コテツくん」 小谷くん「……あ」 名前呼び。握られた手。そして、赤面しながらもこちらに訴えかける瞳。 全ての点が一つの線に繋がった。 小谷くん「……おやすみ。シオリさん」/// 大山さん「……はい!!おやすみなさい。コテツくん!!」/// 目を見開き、ぼっと顔を赤くする大山さん。 ただ名前を呼んだだけなのに、なんで彼女は嬉しそうなのだろう。 そして何より。 どうして僕自身もむず痒くて、ちょっぴり嬉しいのだろう。 小走りで家に向かう彼女の背中を見送る。 大山さん「コテツくん、おやすみなさい…♪」 小谷くん「おやすみ。シオリさん」 振り返り、嬉しそうに手を振る大山さんに、手を振り返す。 こうして、小谷くんの長い長い夏休みが終わりを告げ、2人の少しだけ前進した関係が新しく始まったのだった。

男性のシャツに襟元を追加して。夜だから画角全体を暗くして。男女の手つなぎの手を美しく再生成して

Show Parameters
Size
512 x 512

Model & LoRA used