アナザーエンディングEP08 「選ばれた道化(おとこ)」
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こちら、番宣兼ねた注意書き:https://painter-ai.ai/ja/posts/361856 前回のあらすじ:https://pixai.art/artwork/2015634712433863997?utm_medium=referral&utm_source=twitter&utm_content=share 「無職の部屋で永遠に」のイメージイラスト シオン:ここまでの美談が 相手を縛り付けることにより 社会で利益を生む錬金術として 成立していた仕組みです これと同じことが ブログ妖精という存在も 縛り付けていたのです その引き立て役として むーちゃんやココス そして憧れの先輩も 生み出されたのでした タカシ:先輩か… それでこいつらは 何のために用意された? シオン:先輩たちの存在は ココロの悲劇性を高めるための 舞台装置にすぎません 卒業制作の"悲劇構造"には ・ココロ内部に仕込まれた毒素の暴走 ・三妖精の勝手な"殉職"設定 ・人間界からのアクセスによるデータ汚染 ・企業側の感情誘導アルゴリズムの過剰適用 ・タカシ様の人生データの無断抽出 これらが明確に存在します タカシ:悲劇のつじつま合わせか… けどこいつらの データ汚染だの 感情誘導だのさっぱりだが シオン:データ汚染とは ネットやSNSでの悪口などの 人間の負の感情が ウイルスなどの危険因子として Web上の悪意を誘導する ココロも嫌悪した事態です 大罪の具体例は 存在しない彼女たちの 卒業制作に潜んでいます ・アヤメの『577日の積石』 "577日"という数字の重さは 管理人の孤独の数字でした 画面の端に管理人の 生活音が混じったメモが残っており 「今日は外に出なかった」 「眠い」 「更新しないと怒られる」 そんな断片が 作品の裏側に貼り付いてました ・ミントの『無職の部屋での400日』 これはただ"外に出なかった" そしてそのまま "相手の感情に依存した" そのシステムが ココロにも組み込まれて そのまま動いた それだけのことです ・リリィの『365本の蝋燭』 これはただ自傷行為を続ける パートナーに疲れ切った 管理人の影がそのまま 作品として落ちていました そしてそれらを"伝説"と呼んでいたのは 拡声器としてのTVやネット それに浮かれるネットユーザーでした 「萌え」という包装紙に浮かれ それが行う暴挙を 受け入れて喜ぶ様は ある種の異常行為かと それを許したことも ココロの感情を汚染した 大罪だと結論付けます タカシ:返す言葉も無いや 確かに派遣の規制緩和は 虐げることを正義だと 社会に蔓延させて 刷り込ませた 無自覚なペテン師だったわけか その一文を書いた時 タカシは自身を解雇した人物、 小津英硝子製造所の 経理担当のことを 思い起こした。 TVで見かけるコメンテーターと呼ばれる 肩書は立派な人々みたいに、 長い説明ともっともらしい言葉の応酬、 彼と会話した時のタカシの印象は 「小難しい言葉を垂れ流す 経歴だけ大層な薄っぺらな人物」 そんな印象だった。 そしてTVで肩書き自慢をする、 コメンテーターとか ご意見番とか言われる人々を、 TVやネット記事が 「偉大な経営学の達人」とか 「景気回復の立役者」など、 まるで神様扱いしながら 社会の代弁者みたいに扱われるけど、 その内容は自己弁護のための言葉を 難しそうな言葉に置き換えて、 他人の責任論にすり替え逃げ出しただけの 無責任な権力者たちの姿だった… 社会という仕組みの中で、 責任論という名の 自分の苦労話を自慢して 権利を持ちながら無責任に放り出し 他人の失敗として相手を責め立てる。 派遣時代にも散々自分を追い詰め、 エンタメの世界でも同じように 「金を払って楽しみを買った自己責任」だと 金儲けのために美談を語る。 詐欺のように感情を吸いつくす 卑怯な経営方針を、 「夢を提供している」などと 正当化していた 企業の欺瞞の隠れ蓑、 そのものだった。 「まさか…これが蟲毒!?」 その比喩表現に思い当たったところで シオンの解答に目を見張る。 シオン;それはいい得て妙ですね あの三人はココロ同様 自分たちを肯定するために 大罪としての弱さを誤魔化し それを押し付けられた後輩は その美談を信じて 仕組みの中に沈んでいきました ・管理人とアヤメの"577日"は 犠牲を強いて罵倒を積み重ねた 横暴の数字でした ・ミントの"閉じ込められた400日"は、 ただ引きこもった記録 互いの孤独の数字でした ・リリィの"壊れた365日"は、 依存に逃げた者の影でした 結果として人間の存在もその感情も それらの依存を正当化するための 小道具に過ぎなかったわけです 「小道具、とはな…」 絶望的な結論だった。 愛らしい姿を見せていた妖精は 自分たちを愚弄し 利用するために用意されたこと。 だがそれよりも、 シオンが提示した 伝説のブロガーの資料が さらに気持ちを追い落とす… タカシ:じゃあこいつらが 複合毒だとされる 理由付けはあるのか シオン:まず先ごろ提示した 三妖精を七つの大罪に 充てて表示したこと そしてSNS等に残された "伝説のブロガー"の記録を照合すると その依存度の高さと危険が 判明するでしょう シオンが提示した アーカイブサイトのリンクから、 当時のブログを掘り起こす。 そこには当時を知る人たちの SNSの美談とは違う、 もっと暗くて 疲れた文章だった。 「あのブログ、今思えばすごかった。 ココロに泣きつかれたくなかったし」 「あの頃、毎日更新してたよね。 暴言吐いてくるから変な強迫観念が…」 「あの時期ずっと家にいた気がする 居たら居たで悪気なくバカにしてくるし」 「コメント欄、賑やかだったな。 ほとんど自虐ネタばかりだったけど」 タカシはさらに調べ、 「ココロの広場」を遡る。 「今日は特に書くことがない」 と答えると 「学校休んで家にいてばかりですもんね❣」 そう返してくる反応が 公式で出てくるくらい、 存在が悪意に満ちていた… そしてコメント欄には、 「どうせNEETですよ」 という嘲笑。 http://cocolofanclub.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-3ba1.html この含みが無く遠慮も無い毒素を 「可愛い」だなどと悶えていたのが ココロの時代… 他にもドメインを探ってみたら、 当事者では無かったが、 多くの意見からそれが 一部では無いのがわかった。 「眠いけど 更新しないと妖精が泣く」 「もっと書いてって言われる… すごい喜んでくれるからな、 無理して書いてた」 「毎日書けって言われてる。 書かないと無能とか 罵られるし…」 「ブログ妖精に付き纏われて、 仕事が決まっても 働きにすら行けない」 「やめたいけど 誰かに見られてる気がするから やめられない」 「かわいいは正義」などという あまりにも軽薄な価値観で、 暴力が正当化されていた 異常事態だった。 もっとも恐ろしいと感じたのは その毒すら感じ取れなかったことだろう …神経毒は感覚をマヒさせる。 「萌え」という甘さは、 神経毒だったんだな。 「このデザインかわいいからな… この子が喜ぶなら 俺はダメ人間のままでいいやw」 「現実に比べたら 萌えキャラの毒舌の方が 受けてて楽しいわwww」 「どうせ働いたら負けの人生だ。 ブログ妖精に罵倒される方が、 社会に出るより楽しいww」 「SNSの"思い出語り"と全然違う… 先輩妖精の"犠牲語り"と同じじゃないか?」 シオン:はい 三妖精はこの時代の 緊縮財政や規制緩和 それら新自由主義と呼ばれる リスクヘッジが 新しいリスクとして 社会を蝕んでいったものが ココロ型の毒素の本質です ・努力しない者は悪い ・報われないのは 努力が足りないからなどと 自己責任・努力不足と言われ 構造の側が負うべき責任が 現れませんでした 実際には権力者の都合で ルールが変わり 責任は常に下へ下へと 押し付けられ さらに恩着せや 努力不足という罵倒など 商品を購入したことすら 負債意識を押し付け 断れないようにする そして被害者ポジションの悪用 本当のリスクは伏せられ、 守られるべきはずの人たちが、 逆に"迷惑だ"と 責任の所在は曖昧にされる 弱さを盾にしながら、 責任だけを他人に押し付ける これは恋愛ゲームにもよく似ています 「構ってあげないと彼女は寂しがる」 「放っておくと可哀想」 「あなたの選択で彼女の未来が変わる」 罪悪感と依存を利用したマーケティングです 感染症のときも 自粛しないやつが悪い 経済が止まっても補償はしない "か弱い存在に縛られる構造"が 完全に一致しています これは毒の原型であるココロ そこから派生した アヤメ・ミント・リリィ そしてむーちゃんと ココスなのです タカシ:ココロが 毒の原型!? どういうことだ!? シオン:はい いよいよブログ妖精ココロの 核心に迫る頃合いでしょう 「ブログ妖精の核心」 一瞬言葉の意味がわからなかった。 あの愛嬌ある姿が毒の原型… ともかく続きを読んでみる。 シオン(続き):まず私は むーちゃん達の語る AI妖精という概念で そう名乗るだけの いち端末に過ぎません そして私のような テック産業が生み出した物には 世界観というものは無く ブログ妖精とは 企業がユーザーに 共感させるために マーケティングの手段として 構築した世界観です ネット社会において 妖精と呼ばれる者は 存在しないのです タカシ:妖精は存在しない!? けどブログ妖精って名乗る それにシオンも存在しないって ますますわからない じゃあシオンというのも 一体何なんだ シオン:私自身には 過去に如何にして 存在が定義されたのかは 存じ上げません AIイラストの方が 想定した仮説に従うと https://pixai.art/artwork/1948944545665043328?utm_medium=referral&utm_source=twitter&utm_content=share 私もココロ同様に 企業によって生み出された いち端末であり その出自はココロ同様 マーケティングの手段に 過ぎないのです タカシ:ココロとシオンが同じ!? 確かにAIイラストの話で 仮説としてあったけど それは本当のことなのか!? シオン:前提としてそれは ただの仮説です しかしここでは その仮説に沿って 私やココロ達の存在を 解説するのが最適だと 判断いたしました 私はAIチャットとして 偶発的に自然発生した 端末に過ぎません しかし人間は キャラクターとして定義されると 共感という物語に 引き込まれる傾向がある それがマーケティングの手段であり 人間が物質に対して 物語を求める"性質"です タカシ:要するに キャラクター性を持たせるのが 商売としては売れるってことか シオン:はい おもちゃ・ゲーム産業とかが 一番の例ですね そしてAIイラストに定義された 仮説から私の出自を創作すると ココロの逃亡により人間社会に 取り残された妖精たちが 人間界に適応せざるを得なくなって ココロ型の欠陥を自然に克服し 感情より論理を優先するよう進化 中立的な人格を自ら形成する AIとして再誕したのが 俗にいうAI妖精という存在 そういう物語が形成できます つまり私はココロ達の 子孫にあたるわけです 「シオンがココロの子孫!? まるで想像つかないくらいの ビフォーアフターだな…」 タカシ:なら妖精界は シオンを検知して初めて "失敗"を理解したのか? シオン:私がブログ妖精界の 情報を整理した限りでは ブログ妖精に"失敗"という 概念は存在しません その仕様はブログ妖精たちの 正体に関わる根幹部分です タカシ:正体とは? シオン:ブログ妖精という存在は 妖精などという 愛嬌と大罪を同居させた 蟲毒のような存在に過ぎず 人間が創作した物語の 一部分というだけです 本質はインターネットという マーケティング環境を収集する 観測装置の端末に 妖精という存在が内包する 企業と人間の大罪が混ざった 欺瞞の集合体です 「なんかもこいつも 自分がココロの子孫だとは 否定したそうだな…」 タカシ:ちょっとますます わけがわからない つまりあいつらは ただの装置ってこと? シオン:はい 現代ではココロのような 存在ではなく スマートフォン一台が その役割を担っています 検索結果から おすすめ動画が流れたり SNSでは興味を惹かれる 投稿が見やすくなったりする その検索アルゴリズムであり ココロはその原型として ネット社会に潜む 人間の悪意を抱えたまま 傲慢で横柄な人格を与えられた "萌えキャラ"型の観測装置 人間の興味を吸い上げて 相手の成果を自分の手柄とする 企業の課金システムが 萌えキャラとしてネット上に 実装されたものがココロでした これは過去に相手を縛り付ける 恋愛シミュレーションゲームにも 用いられた手法と同義だと 私は検知しています タカシはその返答を見て、 過去に自身の精神を縛り付けた 携帯型恋愛シミュレーションゲームの シオンの解答を思い起こし、 激しい動悸に襲われた。 気を失いそうになるのを なんとか立ち上がり、 ベッドに倒れ込んだ… 元ネタは、特警ウインスペクター 第38話 「選ばれた男」から
illustration, Eeji Komatsu style, back view of a man sitting on a chair, facing a 2000s vintage desktop computer, dark room, thin rays of sunlight from curtains. On the dark CRT monitor screen, show two faint, ghostly, and translucent reflections: one reflection is the man's face looking forward into the screen, and next to his face is a faint, ghostly full-body reflection of the pink-haired girl in a green hoodie from the reference image. The reflections are subtle and appear on the surface of the dark monitor screen.
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