June Bride【エルザさんver】
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番外編です。 大山さん達がグループチャットで言い争いをしている頃。 小谷家ではエルザさんが一人悩んでいた。 エルザさん「うーん……」 リビングでスマホとにらめっこ。 進むべきか退くべきか、頭を抱える。 小谷くん「どうしたの?母さん」 珍しく悩む母親の姿を見て首をかしげる。 基本的に楽観的で勢いとパッションで生きている母親だ。悩む姿など中々に見ない光景である。 エルザさん「あ、コウちゃん。実はこのアプリ使ってみるか悩んでるの」 小谷くん「なりきり花嫁アプリ?なにこれ」 エルザさん「自分の写真を取り込むと、花嫁衣装のイメージにしてくれるアプリなんだけど……」 小谷くん「なるほどね」 母親が悩んでいる理由に合点がいった。 小谷くんの母親、エルザさんは見てわかる通り日本人ではない。 高校生の時に留学してきた時に父と出会い、結ばれたのだが、元々生まれの良いお嬢様だった事もあり、父との結婚を実家に反対された。 そんな母親は実家との縁を切り、半ば駆け落ちという形で父と結ばれたのだ。 そんな訳で、結婚式は開催せず、役所に結婚届を提出するだけの、質素な結婚生活のスタートだったらしく、母親自身も結婚式に憧れや未練があるだろう。 小谷くん「撮ってみたら?」 エルザさん「でもー、私ももう若くないし…。きっと似合わないわー…」 小谷くん「そんな事ないと思うけど」 パシャ エルザさん「あっ!」 小谷くん「どれどれ…。おお凄い!!母さん見てよ!!凄く似合ってる!!」 エルザさん「ほ、ホント……?」 おずおずスマホを覗き込む母。 見る見る内に表情が明るくなる。 小谷くん「似合ってると思うし、すごく綺麗だよ。母さん」 エルザさん「ありがとうコウちゃーん!!お母さん嬉しい♪」 子どものようにはしゃぐ母親を見て胸を撫で押す。いつもの調子に戻ったようで何よりだった。 小谷くん「なんなら身内で挙げてみてもいいんじゃない?衣装借りてさ」 エルザさん「んーん、それはいいわ♪私はこれで満足してる♪」 小谷くん「そう?」 妹達も喜ぶと思うだけど。 エルザさん「それよりコウちゃんの本当のタキシード姿を見たいわ♪だから、コウちゃん早く私にお嫁さんを紹介してね?」 小谷くん「……ははっ、そう出来るように頑張るよ」 辟易していたいつものやり取りに苦笑する。 それでもーー。 母は笑っていたほうがいいよね。うん。
左手薬指に結婚指輪を追加して
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