宮野志保と工藤新一
(校舎の廊上。志保が新一の腕にそっとよりそい、笑みを浮かべている) 志保「これで…蘭さんも、少しくらいは焦ってくれるかしら」 新一「ま、エイプリルフールだしな。向こうが仕掛けてきたなら、返すのが礼儀ってもんだろ?」 (そこへ、桜の花びらと共に足音。蘭と和葉が歩いてくる) 蘭「……新一くん?」 (ピタリと足を止め、声がわずかに振るえる) 蘭「その子……誰?」 和葉「ちょ、なにしてんの!? どう見たってラブラブやん!」 新一「いや、これはだな……えーと、その……」 志保「“そう見えた”なら、それでいいんじゃないかしら」 (蘭は志保を一秒見やり、新一の腕に繋ぐ手を一瞥してから、ほっと息をつく……かと思いきや、ふいに表情を引き締める) 蘭「……それって、もしかして“仕返し”のつもり?」 (わずかに怒りと寂しさをにじませたその問いに、空気が一瞬張り詰める) 新一「ち、ちげーよ! いや、ちょっとはあるけど!でも別に、本気でどうこうってわけじゃ――!」 志保「ふふ、仕返しかどうかなんて、受け取る側次第じゃない?」 (蘭は黙って一歩だけ近づき、志保と新一の手元をもう一度見てから、小さくため息をついた) 蘭「……はぁ、もう。やられたわね、完全に。ま、私も平次くんとやらかしたし……お互いさま、か」 (ほんの少しだけ目を伏せ、それでもすぐに顔を上げ、微笑む) 蘭「でも次は、もうちょっとマシな仕返しにしてよね」 新一「お、おう……それなりに全力だったんだけどな……」 (志保が少しだけ微笑みながら、腕をそっと離す) 志保「ちなみに補足しておくと、私は工藤くんの“仕事仲間”よ。とある事情で、ね」 蘭「……ふぅん」 和葉「なんやねん、それ!ややこしいわ!」 (桜の花びらが舞う中、春のいたずらは笑顔とともに終わりを告げた)
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