shirakami fubuki
ReiU11


Felorina そこには、 午後と夜だけ静かに営業する、 小さなスイーツ店があった 静かな夜 窓辺には、 月明かりのような小さな灯りが、 そっと灯っている。 こんや―― 少女は初めて、 自分でお菓子を焼くことにした。 少し不器用でもいい ゆっくりでも、心を込めて作ればいい 大切なのは、 そこに込めた想いだから。 鳴門金時を丁寧に下ごしらえし、 自然な素材を一つずつ用意する。 華やかすぎる飾りつけは必要ない。 少女はゆっくりと生地を整え、 オーブンの中へ入れる。 あとは、 じっくりと焼き上がるのを待つだけ。 表面に淡いきつね色が浮かび、 甘い香りが店内に広がっていく。 やがて―― 鳴門金時の焼き菓子が、 静かに焼き上がった。 少女はそれを月明かりの下のテーブルへ運び、 少しだけ冷ましていく。 銀白色の月光が、 香ばしいキャラメル色の表面を そっと照らしていた。 少女は小さく微笑み、 静かな声で告げる 「今夜は一緒に、焼きたてのお菓子をいただきましょう」