『黄金回廊の無言の合図』
ドングリ


黄金の光が降り注ぐカジノフロアへ、ヨルは一人、堂々と歩み出す。 掲げたシャンパングラスと優雅な微笑は、あくまで華やかな夜を楽しむ客のもの。しかし、舞い上がるチップの向こうで、その視線だけは標的から決して外れていない。 少し離れた後方では、アルトリアが給仕を装いながらヨルの行動を見守っていた。今夜の賭場では、派手に動いた者から疑われる。アルトリアはあえて距離を保ち、ヨルが開いた突破口を静かに観察する。 この場面で先手を取るのはヨル。 けれど、その一歩が無謀な賭けにならないよう、白き王冠の眼差しが背後から支えている。