💜:ごめんなさい(´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
りんちゃん


森の奥は、夜よりもなお暗かった。 彼女は、泥にまみれた着物の裾を引きずりながら、ひとり歩いていた。 つい先ほどまで、彼女の胸の中には怒りしかなかった。 愛する人を殺した親族たち。 その顔を一人ずつ思い浮かべながら、彼女は皆を殺した。 それで終わるはずだった。 ――そう思っていた。 けれど。 「……あ……」 木々の根元に、白いものが見えた。 彼女は立ち止まり、震える手で土を掻き分ける。 土の下から現れたのは、ひとつの髑髏だった。 その瞬間。 「……あは……」 涙がこぼれた。 「いた……」 彼女は髑髏を両手で抱き上げる。 「ここに、いたんだ……」 頬を寄せる。 冷たい。 当然だ。 もう、生きているはずなどない。 それでも彼女は、嬉しそうに笑った。 「よかった……よかったぁ……」 涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、何度も髑髏を抱きしめる。 「ずっと……探してた……」 返事はない。 けれど、それでもよかった。 ようやく見つけた。 もう、誰にも奪われない。 「行こう……?」 彼女は立ち上がる。 足元は覚束ない。 何度もよろめきながら、それでも髑髏だけは大切そうに胸へ抱きしめて。 「ねえ……今度こそずっと、ずぅっと、一緒だよ…」 森の奥へ。 月明かりの届かない闇へ。 彼女はふらふらと歩いていく。 やがて、その白い着物も、髑髏を抱いた姿も―― すべてが闇の中へ溶けて消えた。