BERSERKER
西暦21XX年──世界は大きく変貌していた。 かつて国家が中心だった時代は終わり、巨大企業群や企業連合体が経済だけでなく、軍事・医療・技術・情報など、あらゆる分野で圧倒的な影響力を持つようになった。 各企業は独自の武装組織や研究機関を保有し、国家の法や警察の力が及ばない領域が拡大。都市では企業の支援を受けたサイバーギャングや未来マフィアが暗躍し、人体改造技術や機械兵器を利用した犯罪が増加していた。 崩壊しつつある世界秩序を取り戻すため、各国政府は極秘計画を始動する。 ──BERSERKER Project 開発されたのは、人間の肉体と機械技術を融合させる次世代戦闘強化システム「BERSERKER」 細胞強化、人工筋肉、機械義肢、神経接続、内蔵型機械構造、外部装甲。その力は装着者を超人的な戦闘能力を持つ存在へ変える。 適合できる者は極めて少なかった。拒絶反応による死亡、精神異常、戦闘本能だけが残る暴走。それは重大な欠陥を抱えた危険な技術でもあった。 研究の結果、若い女性が最も高い神経同調率を示した。 政府は一般兵を犠牲にすることを避け、社会から隔離された犯罪者たちを対象に適合実験を開始。 対象となったのは、元暗殺者、元テロリスト、元マフィア、元違法傭兵、元ハッカー、そして重大な罪を犯した女たち。 生き残り、高い適合率を示した者たちは特殊部隊として編成される。 その名は──BERSERKER部隊。 彼女たちには国家を超えた作戦権限と、特別な殺害許可が与えられた。 彼女たちは軍人でも警察でもない。 国家が生み出した、人間兵器だった。 彼女たちには秘密がある。 政府はBERSERKER計画の過程で、隊員たちの過去の記憶を封印していた。 彼女たちは、自分が犯罪者だったことだけを知らされている。 「自分は何をしたのか」 「その罪は本当に自分の意思だったのか」 失った記憶を抱えたまま、彼女たちは戦い続ける。 世間は彼女たちを英雄とは呼ばない。 かつて罪を犯した存在であり、いつ暴走するかわからない危険な兵器だと恐れている。 巨大専用基地で管理され、任務では最強の戦士として戦場へ送られる。政府にとって彼女たちは、人類を守る希望であると同時に、制御不能になる可能性を秘めた存在でもあった。 罪人なのか。 被害者なのか。 兵器なのか。 人間なのか。 答えを失った女たちは、戦いの中で仲間との絆を築き、自身の存在理由を探していく。