Moriel Aster : 11
猫空 (Neko_zora)
Anci × Vestigia 月の帳が静かに降りる夜 そこには、 「在るもの」と「在らないもの」が織りなす、 ひとつの物語があった。 遠い昔の記憶 かつての命と、 今を生きる命。 たとえ、 あの日のことを思い出せなくても。 胸の奥に残る、 言葉にならない想いだけは、 きっと消えずに生き続けている。 ――パリン 砕け散る鏡の音が響く 映し出されていた過去は、 もう戻ることはない。 色褪せた絵の具のように かつて鮮やかだった世界も、 抱きしめていた感情も、 静かに時の彼方へ溶けていく。 それでも、 欠片となった記憶は、 どこかで誰かの心に寄り添いながら、 今も残り続けている。 少女は何も言わず、 その場に静かに座っていた 頬を伝う涙は、 誰にも気づかれることなく、 月明かりにそっと溶けていった