美少女画家の晴れやかな日常
ジュンジュン
いつも熱心に美術室で何かを描いていたのは知っていた。 「コンクールに掠りもしないワタシの絵を見に来るなんて、キミは変わり者か馬鹿者だね」 野暮ったい姿にぶっきらぼうな話し方。 教室では無愛想なクラスメートだが、ここでは饒舌なのだ。 きっかけは忘れたが、受験勉強が始まるまでしばらく彼女と放課後に談笑するのが日課だった。 「それじゃ、元気で」 卒業式の日、相変わらずぶっきらぼうな話し方で一言交わしただけ。 三年生になると違うクラスになったこともあり、結局、彼女が何を描いていたのか、何を描きあげたのかは見ていない。 7年後、彼女が絵か何かの賞を最年少で受賞したのをニュースで知った。 綺麗なドレスを身を纏い、テレビのインタビューに答える姿はあの頃からは想像できない美しい佇まいがあった。 ホント、馬鹿者だよ。 7年もかけて自分の気持ちに初めて気がついた。 蝉の鳴く、暑い夏の日だった。