A Stranger in My Hometown #2
落花流水
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私は地元の高校を卒業後、町を離れて都心の大学へ進学し、今では三年生になっていた。 東京から乗ってきた特急が、ようやく駅に到着した。 度々帰省していたので、今回のお盆の帰郷でも特別な感慨に浸ることはなかった。 それでも見覚えのある駅周辺に、自分の知らない道路計画やマンション建設の話が持ち上がっていた。 私はいつの間にかこの町の部外者になっていた。 生まれ故郷であるはずなのに、自分の居場所がもう残っていないような、奇妙な感覚に陥っていた。 ジリジリと照り付ける八月の日差しの下、閑散とした駅前ロータリーの隅に、ピンク色の軽自動車がぽつんと一台停車していた。 その小さな車体から降りてきた一人の女性は――従姉(あね)だった。 「おーい、こっちこっち」 私は促されるまま乗り込んだ。 「おかえりー」 「……うん」 愛想のよい従姉に比べ、相変わらず不愛想な私は素っ気なく返事をした。 それきり、私と従姉は言葉を交わさなかった。 車は駅前を離れ、私の実家へ向けて県道を進んだ。