Abyssia : 06
猫空 (Neko_zora)
静けさを探して 遠くから、 花火の音がかすかに聞こえてくる けれど、ここは穏やかで、 風も静かに流れていた。 うさぎは、 何も言わずにそこにいる 少女は小さく息を吸い、 ゆっくりと吐き出す。 (……すぅ……) 少しずつ、 心を落ち着かせようとする。 今日もまた、 少女はほんの少し俯いたまま。 それでも、 静かで穏やかな一日を過ごしていく。 やがて少女は、 そっとうさぎを両手で抱き上げる。 小さなぬくもりを感じながら、 その瞳には、 ほんの少しだけ涙が滲んでいた。 遠くでは、 まだ夏の花火が鳴っている その音を聞きながら―― 少女はただ、 この静かな時間を大切にしていた