Chocolate Mint(Yuki Saiko)
なごつか
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夏の午後。 少女は、アイスクリームショップのテラスにそっと足を運びました。 木のデッキにはやわらかな陽射しが降り注ぎ、甘い香りを運ぶ風が、少女の大きな黄色いリボンを優しく揺らしています。 少女が両手で大切そうに差し出したのは、キャラメル色とクリーム色が美しく重なったアイスクリーム。 ひとくち食べると、ふんわり広がる甘いキャラメルの味。 まろやかで優しくて、どこか懐かしい。 「……なんだか、ほっとするね」 少女は小さく微笑みました。 その笑顔を見ていると、午後の日差しまで少しだけ甘くなったように感じられます。 風が吹くたび、ドレスのリボンがふわりと揺れ、テラスの花々も楽しそうに踊ります。 少女はアイスクリームをもうひとくち。 甘いキャラメルの余韻を味わいながら、ゆっくりと空を見上げました。 特別な出来事は何もない。 けれど―― こういう穏やかな午後こそ、あとになって思い出すと、いちばん大切な思い出になっているのかもしれません。 甘く、やさしく、心を包み込む。 そのアイスクリームは、夏の午後に訪れた小さな幸せの味でした。
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