<晩餐を告げる足音> 勤労ドゥームブリンガー ディオラクス
冴月燐
最近はやけに静かだ、彼女が永い眠りから目覚めると世界樹の根元には小さな生き物が群れをなしていた。 それは不思議な生き物で個々の固体は非常に弱いのにお互いを守りあい道具を作り火を使い獣を狩り田畑を耕し作物を植え徐々に住処を広げていった 不思議な生き物に興味を持った彼女はその生き物の幼体に姿を変えて近くから群れを観察することにした 生き物の生態は不思議だ、狩りや農耕で得られた食料をバラバラにして叩き水に漬け火をかけ掻き混ぜる、一見無意味で暴力的な行為の果てに生み出される至高の(嗜好の)財宝に彼女は目を輝かせた 時は流れ今では町のいたるところでバイトに励むドゥームブリンガーの姿が見かけられる 夕刻、食事の時間とともに彼女は仕事を終える。少し体を小さくしすぎたためか一日に一食分の食事しか彼女の体には入らない さて今日は何を食べよう、晩餐を告げる足音を響かせて少女は駆け出す。世界にはまだ彼女を待っている料理が沢山あるのだ なお未成年の労働を規制する法律はまだこの世界にはない