夜明けのアヴァロン。アルトリアは湖のほうを向いたまま、首だけこちらへ戻している。見えるのは金の冠、白い手袋、左に立てた聖剣、そしてドレスが開いた背中だ。外套は肩に乗せず、毛皮の襟から重力のまま落ちている。波紋は剣だけが立て、彼女自身は歩かない。色気は肌の広さではなく、うなじに当たる朝日と、誰にも預けない背筋にある。岸に残された者は、名前を呼ばれていないのに、振り向かれた気になる。
ドングリ
PixAI DiT.2