HIMA
9-7-am-3:00 (Nami Yamigumo)
夏の燈が、まだ遠く夜の底に残っている。 秋の気配を孕んだ雨が静かに降り、私はただ、心だけを置き去りにしたまま、窓の向こうを眺めている。 深夜は、時間の流れに逆らうことを許さない。 過ぎゆくものを引き留める術もなく、ただ秒針の音だけが、何も知らぬ顔で未来へ進んでゆく。 ――安らぎとは、何なのだろう。 ――癒しとは、どこにあるのだろう。 ――そして、人生とは、いったい何なのだろう。 問いだけが胸の奥で彷徨い、答えは未だ、霧の向こうにある。 歩いているはずなのに、どこへ向かっているのかさえ分からない。 窓を打つ雨音だけが、妙に鮮明だった。 深く、ひとつ息を吐く。 その溜息だけが、今この瞬間に自分が生きていることを教えてくれる。 夏と秋の狭間。 夢と現実の境目。 夜が明けるまでの、名前のない時間。 私は今日も、迷いながら生きている。
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