白磁の杯を目の高さまで上げ、中身は見ていない。夜の街が、欄干の向こうで粒になっている。肩の氷紋が一度だけ灯り、右スリットから白磁の太腿が一本だけ出る。左手は彫りのテーブルに置いたまま、王は座っていない。乾杯はしない。先に口を付けるのは、彼女が許した側だけだ。
ドングリ
PixAI DiT.1