nobi2
【.εpb ♯85】3日目は満月
風が頬を撫でる感覚で、意識が覚醒した。 (……… ここは……?) 寝ぼけてハッキリしない頭で周囲を探る。 …どうやら宿屋の一室のようだった。 少し、思い出してきた。 あの2人と別れた後、僧侶さんと共に町の宿屋へ訪れた。 宿帳に記入しようとしてから先の記憶が無い… 推測するに、宿屋へ到着すると同時に限界を迎えて気を失ったようだった。 ふと…、近くに【彼女】の気配が無いことに気付いた。 この数日間、いついかなる時も、 常に傍にいてくれた彼女の気配が、 …今は感じられない。 (…だめだ… 眠い…) 少し不安を覚えたが、 襲いくる睡魔の波に、それも呑み込まれてしまう。 (今日は… いろんなことがありすぎて、 思考が整理できないな…) ガラストの墓での出来事… 新たに加わる仲間たち… この旅路の果て… そして、僧侶さんの事…… 眠りに落ちるまでの刹那の間に、今日起きたことが頭を巡る… …自分のことながら、よくぞ生き延びたものだと笑ってしまった。 答えを出さなければいけないことは山ほどあったのだが、抗いがたい睡魔とともに自らの意思とは無関係に瞼が落ちてくる。 再び、意識は微睡の中へと落ちていった。
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