42【炭火戦士プリティハーツ】
Marin


「……あたし」 吹き荒れる風の中、 モツはゆっくりと顔を上げる。 赤く染まった空。 脈打つ紫の天体。 今にも壊れそうな街。 胸の奥が怖いと叫んでいる。 逃げたい。 隠れたい。 いつもの朝みたいに、 お店の手伝いをしていたい。 でも—— ドクン 胸の火が、強く脈打つ。 モツの脳裏に、 いつもの光景が浮かぶ。 店先で笑う父。 「モツちゃん今日も元気だね」と笑う常連。 夕暮れの海。 炭火の匂い。 焼ける肉の音。 当たり前みたいに続いていた、 大好きな日常。 「……なくなるの、やだ」 ドクン!! 胸の炎が、一気に燃え上がる。