荒廃した世界で旅をする8
流歌


――世界が終わってから、彼女は壊れたものばかり直していた。 発電機、無線機、車輪、配線、時々は私の沈黙まで。 私はもう、ステージの上の名前では呼ばれない。 歓声も照明もないこの世界で、ただの一人分の声だけを持って、彼女の隣を歩いている。 今日、彼女が拾ってきた古いラジオは、砂嵐の向こうでかすかな息をしていた。 「まだ死んでない」 機械に向けたはずのその言葉が、なぜか自分に向けられたもののように聞こえる。 だから私は、忘れられた歌の続きを歌う。 誰かのためじゃない。 部品みたいに黙りこんだ彼女が、明日も生きる理由をなくさないように。