DAUGHTER
かつて、多種族が群雄割拠する時代があった。 その世界を劇変させたのは、人類の類稀なる「知識」と、ドワーフが誇る屈強な「技術力」の結実――【サイバネティクス】の誕生であった。 テクノロジーの飛躍的進化により、世界は途方もない高度機械文明の時代へと変貌を遂げた。そしてサイバネティクスを生み出した人類とドワーフは、その圧倒的な技術的優位性を以て世界における絶対的な立場を築き上げていった。 やがてその技術が全種族へ普及し世界が均衡を迎えたのも束の間。理由も、始まりの狂気さえも誰一人知らぬまま、世界はあらゆる種族を巻き込む泥沼の大戦へと突入していく。 かつて世界の頂点に君臨していた「竜人族」もまた、その渦中にある。 サイバー化で底上げされた他種族からの怨嗟、そして何より「かつての絶対王者」であったが故の気高く頑なプライドが、彼らに他国へ助けを求めることを許さない。種族全体が完全に孤立していた。 戦場は、かつてどちらの領土であったかも定かではない境界の中立地帯――崩壊した電脳都市。 そこに押し寄せたのは、牙を剥き、手を取り合ったオークやゴブリンたちの膨大な「異種族連合軍」であった。 絶体絶命の包囲網の中、瓦礫の街の最前線に躍り出るのは、圧倒的なカリスマと力を誇る父娘。 龍神の血と有機的な肉体を残しながらサイバー装甲を纏う姫(DAUGHTER)と、肉体を失いながらも巨大なメカ龍神の躯体に意識を宿す父王。 そして二人の背後には、同じく全身をサイバネティクス化し、誇りを胸に戦う竜人族の兵士たちが控えていた。 高精度な知能と技術的アドバンテージを背景に、無闇な争いを避けて冷静に静観を決め込む「人類・ドワーフ同盟」の影、前線を埋め尽くす異形の大軍勢。 孤立無援の戦場で、自ら先陣を切る父娘の血とオイルが交錯する凄惨な一騎当千の戦いが幕を開ける。 ――果たして姫は、圧倒的な技術力を保持し冷静に情勢を見極める人類・ドワーフと手を組む道を選ぶのか。 迫りくる連合軍を圧倒的な力で踏みつぶし、従えるのか。 あるいは、闇の底から新たな第3の勢力が牙を剥くのか。 圧倒的サイバーパンク・ダークファンタジー、孤高の親子の運命はいかに――