Caramel Ribbon(Yuki Saiko)
なごつか
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白い庭と、バニラの午後 夏の午後。 白い石畳が続く静かな庭園で、少女はひとり、ゆっくりと歩いていました。 庭には白い花が咲き、木々の隙間からこぼれる陽射しが、淡い金色の光となって少女を包んでいます。 柔らかな風が吹くと、少女のアイボリー色の髪と大きな黄色いリボンがふわりと揺れました。 少女が手にしているのは、真っ白なアイスクリーム。 それは、飾り気のないシンプルなバニラアイスでした。 少女は庭の小さなベンチのそばで立ち止まり、そっとひとくち味わいます。 口の中に広がったのは、優しくまろやかな甘さ。 どこか懐かしくて、心までゆっくりほどけていくような味でした。 「……やっぱり、落ち着くな」 少女は小さく微笑みます。 白い花びらが風に乗って舞い、少女の周りを静かに通り過ぎていきました。 特別なものは何もありません。 華やかな飾りも、驚くような出来事もありません。 けれど、少女にはそれが心地よく感じられました。 変わらない庭。 穏やかな陽射し。 優しい風。 そして、いつものバニラアイス。 少女はスカートの裾をそっと持ち上げながら、青空を見上げます。 「こういう何でもない日が、一番好きかもしれないね」 白い花々が、まるでその言葉に頷くように揺れました。 少女はもうひとくち、バニラアイスを味わいます。 その甘さは、夏の日差しのように優しく、誰かのそばにそっと寄り添ってくれるようでした。 ――真っ白で、素朴で、いつまでも忘れない味。 その日、少女が庭で見つけたのは、バニラのように穏やかな、小さな幸せでした。
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