八年目の「再会」 #1
落花流水
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【#1よりつづき】 互いの手が、腕が、バシバシと当たった。 私は少し距離をとった。 しかしそれを追うように、従姉はまた距離を詰めてくる。 最終的に私は道路脇の用水路ギリギリにまで追い込まれてしまった。 小さい頃に、従姉に色々とちょっかいを出されていたことを思い出した。 「ねえ、久しぶり」 「昼間、駅で会ってからずっと一緒だろ」 「そうじゃなくて。最近、あんたと面と向かって話してないからさー」 話すことが全くない訳ではない。 しかしあの一件以来、気まずさが先行してしまい、無意識に従姉を避けていた。 「せっかく東京から帰って来たんだからさ、今度こそきちんと話したいなーと思って」 こんな田んぼの真ん中で、蚊に刺されながらの立ち話も嫌だった。 「じゃあこのまま、従姉ちゃん家に戻って話そうか?」 両親は母方の実家へ出かけてしばらく戻らない予定だった。 「うちじゃつまんないでしょ。中学の先輩の実家が居酒屋だから、そこに招待するよ。あんた酒飲めるんでしょ?」 「まぁ多少は……。でも良いの? 従弟とはいえ、男と飲むのって相手は何にも言わないの?」 「何の話?」 従姉の左薬指に光る指輪が、昼間からずっと目に入っていた。私なりに気を使ったつもりだった。 「あー、これね。魔除けのダミーだよ。変な男とか、お見合い勧めたい職場のおばちゃん軍団からの。田舎はそういうの面倒だからねー」 笑い出した従姉に、私は拍子抜けした。 そして同時に、従姉のプライベートな人間関係に一喜一憂している自分がどうにも嫌だった。 ……昔、同じようなことがあった気がした。 大人になったつもりで、私はまだ変わっていなかったのかもしれない。