『見るだけじゃ終わらない』
sakimisaki


TAKE 11 「静かになったのに、あの音だけがまだ消えない。」 ライブを終えて、帰りの電車。 車内は静かで、さっきまでの熱気が嘘みたいに落ち着いている。 美咲は隣で少し休んでいるけれど、先はまだイヤフォンに触れたまま、窓の外をぼんやり見つめている。 窓には自分の顔と一緒に、さっき見たステージの光や観客のペンライトが淡い残像として重なる。 ライブは終わった。 イヤフォンを外せば静かになるはずなのに、先の中ではまだ音が鳴り続けている。 「静かになったのに、あの音だけがまだ消えない。」 ここから、先の気持ちが 「聴いてるだけじゃ足りない」→「自分も歌いたい」 へ少しずつ変わっていく場面。