【.εpb ♯88】新たなる旅路…?
Fundoshi Zipper


「僧侶さん。 一つだけ 答えてください。」 「はい。なんでございましょうか?」 「お二人は"無事"…なんですね?」 「…あら……?」 真っ直ぐに彼女を見つめる。 彼女は視線は逸らさない。 僕の目を見つめ返して、優しく微笑む。 「ふふ、 ご質問の真意は分かりかねますが、 事実のみを答えさせていただきますね。 【ええ、もちろん無事ですわ】 」 …この場で【無事】の定義を論じるつもりはなかった。 彼女ならば、僕の意図は汲み取っている。 今、ここで重要なのは、 僕の問いに対する 彼女の答えの【真偽】でしかない。 そして、その言葉に偽りが無いことが 僕にはわかった。 「……それなら結構です。 では、出立しましょう。 今日もよろしくお願いします。僧侶さん!」 「ええ、全て私にお任せください。勇者様♪」 …彼女の目的の為、 彼女は僕の目的を全力で叶えてくれるだろう… もとより己だけでは到達不可能な【場所/目的】だったのだ。 自身の悲願、魔王討伐のため… 少年は、他の全てを些事と割り切った。 …自身の目的… …彼女の目的… その旅路の果ては、 あるいは地獄へと通じているのかもしれない… それでも、彼女との信頼が崩れない限り その道を共に歩き続けるのだと 少年の決意は定まっていた…